Interview 3

Interview 2 からの続き…

Sumie:お聞きしようと思っていたんです。MPさんが過去に書かれたメモの内容を確認したり、アーカイブするシステムがあったりするんですか?

Masao:いいえ。でも、それだからいいんだと思っています。混乱を増すだけと言うか。今では、何が事実で、真実で、それとも嘘なのか忘れてしまっています(笑)。最近、“エリザベス一世”に関することを書いたんですが、2、3年前にも同じようなことを書いた気はしています。

これが“事実”ってものだと思います。ただ立ち現れては去っていくというか。

私が紙の上に何を描いたとしても、無意味だと言えるかもしれません。半分にはクリエイティブとは関係ないただの疑義的事実が書いてあって、それは、疑わしいかもしれないですけど、事実なんですね。それで、もう半分には、その存在を確かにするための視覚的な証明、ただ純粋に、ドローイングがあります。

両方とも、事実を書いた文章もドローイングも、単に偶数と奇数の数字だっていいんです。ただのシンボルだっていいんです。重要なのは、私がどうやってここに辿り着いたかってことなんです。それは、古い日記を開いた最初の瞬間の混乱した状態を経てのものだと思います。

S:ありがとうございました。インタビューを締めくくりたいと思います。

M:今日は私の話を聞いてくださってありがとうございました。自由に自分の作品について話す機会を下さったことにも心から感謝します。お時間を頂いたのに、自分ばかり話していたような気がします。

S:いえいえ、楽しかったです。ありがとうございました。

後日、インタビューでは分からなかったことを、メールで聞いてみました。

S:インタビューの読者の理解を助けるために、ご自分の作品を簡単に説明してもらえませんか?

M:事実と虚構を記録する方法を模索しているということをよくお伝えしています。事実と虚構が対峙した時に生まれる混乱の搾取にフォーカスする目的で。既にお伝えしたかもしれませんが、昔の日記や投函されなかった手紙を読み返すことになぞらえることができると思います。それを書いたことを思い出せないにも関わらず、筆跡は自分のものだと確かにわかる。見慣れた感じがするのに、なんとなく不信感が募る。一方で、写真は、それが撮られた時点へ、私たちをすぐに引き戻してくれます。そしてその記憶はとても鮮明に蘇ります。

S:Webサイトを拝見して、作品にも、大文字のMと小文字のnに見えるマークを使っていらっしゃいますが、何か意味があるのでしょうか。

M:Mとnに見えるマークは、ロシア語です。とても単純なことなのですが、分かりやすくはないと思います。ロシア語のアルファベットでMはローマ字のMと同じですが、Pは角張ったnのように見えます。つまり、MP(Masao Podalko)をロシア語表記で書くと、Mnと見えるのです。

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