Interview 2

Interview 1 からの続き…

Sumie:いつ制作を始められたんですか?作品の制作へはどうやって辿り着いたんですか?

Masao:ええと、制作を始めたのは、2020年に世界規模のあの出来事があって、みんな家に閉じ込められた時です。

2017年に祖母が亡くなってからは自分で事実を調べて書き留めるようになっていて、これで4年ほど経ちました。1日に1、2個は書き留めるようにしています。メモを取ることがある種のセラピーになって、ずっと続けているんです。図書館の本や新聞など、祖母の博識には敵わないように思いますが、新しいことを書き留めるたびに、祖母を思い出して自然と笑顔になります。

アートの世界は初めてで、まだ不慣れなのに、こうして制作のプロセスや意味についてお話しているのは、何となくフェイクっぽいですよね(笑)。でも、私の作品も多くは事実とフェイクとか虚構に基づいています。「虚構」と言う単語をとても曖昧な感じで使っていて、混乱とも言えるかも知れないです。私が扱う事実は、自分が所有できるものではありませんし、他の誰のものでもありません。なのに、祖母の思考を何らかの形で反映しているんです。だから、こうして事実に惹かれるし、私の作品の基礎になっているんです。

S:それで、何か突破口や気づきがあったのですか?作品を制作しようと考えたのはいつですか?どのように事実を記憶から引き出すのか、もっと教えてもらえますか?

M:もちろんです。私はまだスケジュール帳を持っていて、事実を書き留めていましたが、ある2つのことが起こって、1日で、作品を作ろうと決心することになったんです。

1つ目は、断捨離です。昔のスケジュール帳、祖母のつぶやきをメモしていたスケジュール帳を、最初は、本当に捨ててしまおうとも考えたんですが、じゃあなぜ今まで取っておいたのかなと思って。それから、メモを始めてから4年も経って、初めて読み返してみたんですね。そしたら、何を書いたか全く覚えていなかったんです。本当に。これが理由だと思います。2016年に書いたメモを読めば読むほど、書いたことが現実だったとは思えないほどだったんです。自分の筆跡だということは分かるんです。でも、それを書いたことを全然覚えていなくて。思考が停止したというか、パニックになりました。それから、同じスケジュール帳に挟んであった写真が出てきて、それを見た瞬間に現実に連れ戻されたというか、釣りに行った時に撮った写真だと、その時のことを、一匹も釣れずに悔しかったこととかすごく鮮明に思い出したんです。

自分で書いたメモを思い出せずに混乱していたとき、写真を見る前のこの瞬間、ほんの一瞬“静止した”というしか説明できません。それで、現実が意味をなさないとか現実をコントロールできないと言うのがどういう感じなのか、分かった感じがしたんです。つまり、祖母がどんな世界に生きていたか分かったように思ったんです。これが私の作品の本質だと思います。

そしてその後、2つ目のことが起こったんです。

S:断捨離が、いろんな意味で大きな役割を果たしたんですね。

M:そうですね(笑)。確かに、私の頭の中も整理してくれました。

S:古い日記や、私の場合、昔のインタビューを見返すことは分かります。全く同じではないかもしれませんが、冷蔵庫のドアのメモとか、書いたのを覚えていない時があります。

M:私の作品をどのように見るか、読み解くかを示すことはしたくありません。人それぞれに違う意味を持ち得ると思います。ある人は“真実と嘘”と言うでしょうし、ある人は“会話とコミュニケーション”と言うかもしれません。

S:先ほど2つのことが起こったとおっしゃいましたね。

M:あ、ごめんなさい。話が逸れてしまいました。2つ目の出来事ですね。さっきも言ったように、ステイホームが推奨されていた時期で、やることも限られていたので、オンラインの英会話レッスンを受けることにしたんです。“一世紀学ぶ”の実践です。それに、多くの人もそうだったんじゃないかと思いますが、何かしら社会と関わることをして孤独の中で正気を保つというか、そういうのが必要だったんです。それで、どうするかは分からないけどとにかく日記は捨てないと決めた日の午後、新しい英語の先生と話をしました。それが2つ目です。メチャクチャな英語だったんですけど、すぐに打ち解けて。どんなことを話したのかは省略しますが、1時間も経つ頃には、自分には、何年も捨てずに持っていたスケジュール帳のメモをどうにかする責任があって、それをとても単純でストレートな表現のイラストにするんだと確信していたんです。

S:え!英語の先生が何て言ったか教えてくれないんですか?すごいインパクトを与えたんじゃないですか?その決断に至る理由を詳しく知りたいですが、MPさんの気持ちも理解しますし尊重します。まだその先生のレッスンを受けているんですか?連絡を取っています?

M:はい、連絡を取り合っています。彼はよく面白い事実を送ってくれるんです。僕のメモにないことを見つけようとするのが好きなんだと思います。彼もアーティストで、アートに関するドキュメンタリーを制作しているんです。私の話を彼はとても気に入ってくれたと思います。

… to be continued.

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